冷えた黒い夜空には無数の光が瞬いている。
コートを着た男性がひとり、静かに空を仰ぎたたずんでいた。
時計塔の鐘の音が過去を送るように鳴っている。
「眠るお前はこんな夜空をしていたよ」
艶々な漆黒の毛並みに満月のような瞳。男性はいまでも鮮明に思い出せた。
アパート前の茂みの中で、ミィミィと鳴いていた彼を男性は部屋へと招き入れたのが最初の出会いだった。
もう彼の声は聞こえない、しかし心の中で時を超え、響き続ける。
AIからのお題「星空、古時計、猫」
最後の一文をどうするかでAIと何度か相談。